電子黒板とは?公立学校の普及状況、機能や特徴と種類、導入メリットを紹介

GIGAスクール構想に伴うICT教育が普及し、「教育のデジタル化」が進んでいます。昨今の教育現場では、学習効果や授業効率の向上に役立つツールとして「電子黒板」を導入する学校が増えてきました。

そこで本記事では、導入が進む電子黒板の「機能や特徴」「公立学校の普及状況」「導入メリットやおすすめの商品」を紹介します。電子黒板を詳しく知りたい方や導入を検討中の方は、ぜひご覧になってください。

電子黒板とは。電子黒板の機能や特徴

電子黒板とは、従来の黒板に「データの取り込み」や「書いた文字の印刷」などのデジタル機能を有した黒板のことです。電子黒板の主な機能は、「画像や動画の表示」「書き込み」「保存」の3つがあります。

電子黒板はパソコンの画面や資料、写真をそのまま映し出すことが可能です。電子黒板上に映し出した資料や写真に、「ペンツール」や「指」で自由に文字やマークを書いたり、消したりできます。電子黒板上に書き込んだものを「データとしてパソコンに保存」することができ、後から簡単に保存データを呼び出せます。

また、スピーカーを取り付けた電子黒板の場合、音声付きのデジタル教材を活用できるほか、授業中の音声を録音することも可能です。電子黒板を利用することで、より視覚的に理解が深まる授業を行えます。

電子黒板は「教える側の教員」と「教わる側の生徒」の双方にとって、多くのメリットがあります。パソコンやクラウドサービスと接続することで、授業の効率化や学習効果が向上し、教員の負担軽減につながるでしょう。

電子黒板の公立学校の普及状況は?

文部科学省は、2019年末に「GIGAスクール構想」を打ち出しました。1人1台、学習用のデジタルデバイスを使用して授業を受けられる体制と、学校内の高速ネットワーク環境を整備し、ICTを活用した「新しい教育へのシフト」を目指します。

電子黒板はGIGAスクール構想実現に欠かせない要素のため、文部科学省が積極的に導入を推進中です。文部科学省の計画は2019年度に若干修正され、現在は大型ディスプレイやプロジェクターを含む「大型提示装置の整備率100%」を目指しています。

電子黒板の普及状況を示す指標として、文部科学省が発表した「令和元年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)(令和2年3月現在)」を見ていきましょう。本調査の中で、全国の公立学校の整備率を発表しています。

調査結果によると、電子黒板を含む大型提示装置の普及状況は「2019年3月の整備率: 52.2%」「2020年3月の整備率:60.0%」「2021年3月(暫定値)の整備率:70.3%」と、年々増加傾向です。多くの学校で導入が進み、教育現場での利用が活発化しています。GIGAスクール構想の後押しを受け、電子黒板の普及は今後も加速していくでしょう。

調査結果

出典:令和元年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)(令和2年3月現在)
※ 「大型提示装置」とは、プロジェクター、デジタルテレビ、電子黒板のこと

電子黒板の種類

電子黒板の種類は、大きく分けて「タッチディスプレイ型」「プロジェクター型」「ユニット型」の3つがあります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

①タッチディスプレイ型

タッチディスプレイ型は、ディスプレイに映像を映し出して利用する電子黒板です。すばやい起動や移動が可能な点、メンテナンスが容易な点が魅力。近年は、2K画質から4K画質へ移行しつつあり、鮮明な画像でわかりやすい授業を実現します。

ディスプレイ型電子黒板の見た目はテレビと似ている製品が多く、操作性はタッチパネル式のタブレットに近いです。普段、日常的に使っているデジタルデバイスと共通点が多いため、教員や生徒から受け入れられやすいのがメリットです。

近年は家にいる生徒が、遠隔でローカル授業に参加する「ハイブリット授業」が実現可能な電子黒板もあります。インタラクティブな授業ができるツールとして、いま注目を集めています。

②プロジェクター型

プロジェクター型は、既存の黒板やスクリーンに投影して利用する電子黒板です。基本的な仕組みはプロジェクターと同じで、天井など任意のスペースに投影機を取り付け、スクリーンに映像を映し出します。

既存の黒板に投影可能な製品の場合、教室の環境を大きく変えず導入できるのがメリットです。投写画面サイズの幅が広く、教材をより大きく映し出せます。また、設置は壁掛けや天吊りのため場所を取らず、圧迫感を感じさせません。

プロジェクター型特有の活用法として、既存黒板との併用が挙げられます。たとえば黒板の半分だけプロジェクターを投影して、もう半分はチョークやペンを使い授業を進めることが可能です。導入時の注意点として、「生徒からの見やすさ」を調整する必要があります。生徒が見る位置によって、画質に差が出ないよう配慮しましょう。

③ユニット型

ユニット型は、既存の液晶テレビやプロジェクターをタッチパネルとして使用する電子黒板です。既存機器を利用するため、教室の環境を大きく変えずに済み、省スペースで導入できる点がメリットです。

ユニット型の仕組みは、既存機器に「タッチパネル化するセンサー」を取り付け、センサーから資料や写真、動画などの情報を受信します。ユニット型の電子黒板は、ICT授業専用のシステムを導入するイメージが近いでしょう。今まで大画面の映像機器を使用し、授業を行っていた学校が「システムをより充実させるため」に導入するケースがあります。

映像の画質は、テレビやプロジェクターの機器に依存します。ユニット型を導入することで、既存機器の映像画質が向上するわけではないため注意しましょう。

電子黒板のメリット

次に電子黒板のメリットを紹介します。

①視覚的にわかりやすく説明でき、生徒の学習意欲が高まる

電子黒板の最大のメリットは「視覚的にわかりやすく説明できる」ことです。電子黒板に投影した画像を拡大表示したり、強調したいポイントに色付きマーカーでチェックしたりすることで、「生徒の視覚に訴求する説明」が可能になります。生徒は教員の説明に興味が沸き、集中力がアップすることで学習意欲が高まるでしょう。

従来の黒板を用いた授業は、「板書」が基本でした。板書はシンプルでわかりやすい反面、「教員の書く文字が小さい」「生徒の視力が悪い」などの場合、読み取りにストレスがかかります。板書をノートに書き写す作業に気をとられ、「内容の理解が追いつかない」体験をした人も多いでしょう。

また、文字や簡単なイラストだけではニュアンスがうまく伝わらず、伝え方に苦心する教員も少なくありません。電子黒板を利用することで、これらの課題を解決でき、より視覚的にわかりやすい授業が実現可能です。

②インタラクティブ(双方向)な教育を実現できる

電子黒板を活用することで、インタラクティブな授業が可能です。従来の板書による授業の課題として、教員から生徒に対して「一方向な説明」になりがちでした。生徒の一人ひとりが、授業内容を「習得するスピード」や「理解度」に差があることが分かっていても、教員が生徒ごとに適切な対応を取るのは限界があります。

電子黒板と併せて、生徒一人ひとりにタブレットやパソコンを配布し連携することで、「双方向的な授業」が可能です。たとえば、従来は指名された生徒が黒板の前に出てきて、回答をチョークで書いていたものを、生徒全員が席についたまま自分の回答を伝えられるようになります。

また、それぞれの生徒が自分のタブレットやパソコンに入力した内容を、電子黒板を通してクラス全体で共有することも可能です。生徒が自分で作成した資料を映し出し、前に立って発表することや、自分の回答や考えを示す機会も多くなるでしょう。これらの体験を通じ、板書を黙々とノートに書き写す授業よりも、「双方向の活発な授業」が期待できます。

③授業の効率が上がり、教員・生徒の負担が軽くなる

電子黒板は、授業効率を高めることにも役立ちます。デジタル教科書などの教材データを電子黒板に映し出すことで、今まで授業中に板書に費やしていた時間を削減できます。

教員が電子黒板に表示・書き込みした内容を保存しておけば、後から見返すのも容易です。次の授業の冒頭に、前回の復習として簡単に呼び出すことができます。保存データを活用し、プリントアウトして生徒に配ることで、学習効果の向上につながるでしょう。

また生徒によって、板書きの記録内容が異なることもありません。教員は「板書や資料作成の手間が効率化」でき、生徒も「板書きの手間を省ける・取り忘れがない」ため、教員と生徒の双方にメリットがあります。授業効率が上がることで教員の負担も軽減でき、より中身の濃い授業が実現できるでしょう。

電子黒板はタッチディスプレイ型「DAHUAのMC410-Lite」がおすすめ

GIGAスクール構想を背景に、教育の現場では電子黒板の導入や活用が進んでいます。教員や生徒がストレスなく、自由に電子黒板を使える学習環境を整えることで、より充実した授業を行うことが可能です。児童や生徒たちの興味や関心を高め、高い学習効果を得られるでしょう。

また、今後さらにニーズ拡大が見込まれる「オンライン授業」も効率的に行うことができます。電子黒板を検討中の方は、タッチディスプレイ型の「DAHUA:MC410-Lite」がおすすめです。DAHUAは世界をリードする「ビデオ中心のスマートIoTソリューション」を提供しています。

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